全体像
ひとつの地図で捉える
Cloudflare の各サービスは「世界中に分散したネットワーク(エッジ)」の上で動きます。フロントを Pages、APIを Workers、データを D1/KV/R2、AIを Workers AI/Vectorize/AI Gateway、メディアを Images/Stream、守りを Turnstile/Access が担当する——この地図を頭に入れると、どのサービスをどこで使うか迷いません。
組み合わせて使う
単体でも動きますが、真価は組み合わせ。例:Pages+Workers+D1 で「フルスタックWebアプリ」。
エッジで動く
ユーザーに近い拠点でコードが実行され、速く・安く・スケールします。サーバー管理は不要。
Wrangler で配布
ローカルから wrangler コマンド一発でデプロイ。GitHub 連携で自動化も可能。
スタック解説
サービスごとの「何ができるか」
各サービスの役割・イメージ・ハッカソンでの使いどころをまとめました。
Workers — エッジで動くサーバーレス関数
世界中の拠点で動く小さなプログラム。API・認証・画像加工・Webhook 受信など、バックエンドの処理を担います。サーバーの用意もスケール設定も不要で、リクエストが来た拠点で即実行されます。

Pages — フロントエンドのホスティング
React/Vue/静的HTML などのフロントを配信。GitHub と繋げば push するだけで自動デプロイ、プルリクごとにプレビュー URL も発行されます。Pages Functions で軽いサーバー処理も同居できます。

R2 — オブジェクトストレージ(S3 互換)
画像・PDF・CSV・動画などのファイルを保存。S3 互換 API なので既存ツールがそのまま使え、下り転送料(エグレス)が無料なのが特徴です。

D1 — サーバーレス SQL データベース
SQLite ベースのリレーショナル DB。テーブルと SQL でデータを構造化して扱えます。Workers からバインディングで接続し、ユーザー情報や投稿などの「関係のあるデータ」を保存するのに最適。

KV — 分散キーバリューストア
「キー→値」で高速に読み書きするストア。世界中の拠点にキャッシュされ、読み取りが非常に速い一方、結果整合(書き込みの反映に少し時間)です。設定値やセッション、キャッシュに向きます。

Workers AI — エッジで動く AI 推論
テキスト生成・翻訳・要約・埋め込み・画像・音声など、オープンモデルの推論をバインディングひとつで呼び出せます。GPU の準備は不要。

AI Gateway — AI リクエストの管制塔
AI への呼び出しをまとめて監視・キャッシュ・レート制限・ログ化する入口。どのモデルにどれだけ使ったかを可視化し、同じ問い合わせをキャッシュしてコストとレイテンシを削減します。

Vectorize — ベクトル DB(意味検索・RAG)
文章や画像を「埋め込み(ベクトル)」に変換して保存し、意味が近いものを高速に検索します。生成AIに社内データを参照させる RAG(検索拡張生成)の中核。

Images / Stream — 画像と動画の配信
Images は画像の保存・リサイズ・最適化(WebP/AVIF 変換や複数サイズ生成)。Stream は動画のアップロード・自動エンコード・プレイヤー配信。大量のメディアはこの2つ経由で配信します。

Turnstile / Access — 守りの2枚
Turnstile は画像パズル不要のボット対策ウィジェット(CAPTCHA 代替)。Access はゼロトラストのアクセス制御で、管理画面などを「本人確認を通った人だけ」に限定できます。

ルールと制約
やってはいけないこと
無償提供を続けるための約束事です。運営マニュアルより要点を抜粋。
用途の逸脱
ハッカソンの範囲外の開発、他チームのリソースへの不正アクセスは禁止。
高負荷処理
マイニングや大規模学習など、計算資源を過度に消費する用途は禁止。
高額 AI モデル
Cloudflare ホスト型で単価が $1/1M トークン超のモデルを Workers AI 経由で使うのは禁止。
一般 CDN での大量配信
大量のメディアは Images / Stream 経由で。標準 CDN 直配信は規約上制限。
秘密情報の直書き禁止
API キーは Secrets Store か環境変数へ。ソースコードに直書きしない。
個人情報の取り扱い
個人・機密情報の不適切な扱いや、法令・Cloudflare 規約違反は禁止。不審な挙動は Slack へ即報告。
セットアップ
Wrangler で最初のデプロイ
ローカルの CLI(Wrangler)から数コマンドで公開できます。
Node.js を用意
Node.js をインストール(ターミナル:Mac は「ターミナル」、Windows は PowerShell を管理者で起動)。
ログイン
wrangler login を実行 → ブラウザで承認 →「Successfully logged in」。必ずハッカソン用チームアカウント(tokyo_odh_XXX)を選択(個人アカウントではなく)。
プロジェクト作成 & デプロイ
下のコマンドで雛形を作り、そのまま公開できます。
# 最新の雛形からプロジェクト作成
npm create cloudflare@latest my-app
cd my-app
# ローカル開発
npx wrangler dev
# 本番へデプロイ(チームアカウントを選択)
npx wrangler deploy
#03_事務局への質問 へ。データ保全
締切前に必ずバックアップ
提供期間は 2026 年 9 月頃まで。権限停止後はアクセスできなくなります。締切前に必ず退避してください。
- R2 / D1 のデータをダンプ・ファイルエクスポート
- Workers / Pages のソースを GitHub へ push
- Secrets Store の中身を安全な場所へ保管

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2021–2025 の全442作品を検索できるデータベースと、歴代受賞パターンの分析も公開しています。
本ガイドは東京都オープンデータ・ハッカソン 2026 の公開マニュアルと Cloudflare の一般的な製品知識に基づく解説です。正確な提供条件・料金・クォータは運営の案内および Cloudflare ダッシュボードでご確認ください。挿入図は概念理解のために本ガイド用に生成した画像で、実際の管理画面ではありません。
